何かを捨てるということ

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日本社会は、文化的に「捨てる」ということが得意ではないのかな…と思っています。何を隠そう、自分自身も「捨てる」ことが非常に苦手でしたし、今でもやっぱり苦手です。今日は、資産運用の世界での「捨てる」ことが生み出す効用を考え、資産運用以外の世界についても「捨てる」ことについて、考えてみました。

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資産運用の「捨てる」発想とは?

資産運用の「捨てる」発想は、最終的には、「インデックス運用」や「自身が定めたルールに則って機械的に行う運用」という手法につながると思います。そこに至る「捨てる」発想を少し整理してみました。

資産運用で投じた資金は「捨てたもの」と考えてはどうだろう

資産運用で投じた資金が、利益につながらず損失につながってしまう局面は、いかなる投資手法を取っていた場合でも必ず訪れます。この時に、投じた資金への短期的目線での執着が大きいと、精神的に大きな負荷を感じてしまうでしょう。

投資を始めた直後の2年前くらいの自分がまさにそうでした。日々、乱高下する資産評価額に訳もわからず振りまわれていた時期が確かにありました。

しかし、十分な生活防衛資金を確保し、日々の生活資金のフローを確保できているサラリーマンという前提を考えてみましょう。この場合、短期的に手をつける必要が無い資産を運用に投じているわけで、短期的に資産評価額がどう推移しようが特に問題は無い訳です。

そして、逆に言うと、それくらいの余裕を持てるくらい、長期的な成功の確信が持てる対象へしか、投資すべきでは無いということだと思います。

私にとっては、これが、米国株式市場や全世界株式市場へのインデックス投資となっています。

大儲けしたいという欲望を「捨てる」ことによって賢明な投資への道が開ける

短期的な大きな利益を求めた資産運用を行うと、たいてい良くない結果を招くことが多いと思います。もちろん、天才的な相場感によって、短期的な大きな利益を上げ続けることができる人もいるかもしれません。しかし、自分も含め、大多数の一般サラリーマンには、不可能でしょう。

こういった、ある種の「前向きな諦め」「大儲けの欲望を捨てる」といったことが、安定的かつ長期的な資産運用のスタート地点には必要になってくるのだと思います。

「大儲けの欲望を捨てる」というのは、言うは易し、行うは難しといったところです。自身も「大儲けの欲望」からは完全に自由になれていません。(仮想通貨への取り組みとか…汗) しかし、資産運用のコアとなる部分では、かなり強く「大儲けの欲望を捨てる」ことを意識して取り組んでいますし、今後も節度ある運用を継続していきたいと思っています。

資産運用以外でも「捨てる」ことは大事だと思う

捨てることは、日常生活や仕事等でもやはり重要ですよね。プライベートで何に時間を割くか、交友関係で誰とお付き合いするか、仕事でも優先順位付けをした取捨選択等といったところだと思います。

しかし、日本の文化的傾向としては、できるだけすべてを拾っていこうとする傾向があるのかな…と思っています。プライベートとしては、細やかなご近所付き合い、教育機関でのPTA等、仕事としては、綿密な調査、細部までこだわったモノづくり、細かい部分まで行き届いたきちんとした書類、バグの少ないシステム等といったところでしょうか。

確かに、そういった価値を、追加コストをかけずに実現できていた日本社会がもてはやされた時期もあったと思います。

しかし、近年、それらに付随する隠れた大きな代償(目に見えにくく奪われ続けていく時間、社会構成員全体への精神的負担)の悪影響が大きく目立つようになってきていないでしょうか。

さらに、そのような良さを提供できることへの価値が、全世界的にみると薄れてきたように思います。なぜなら、(日本のような社会構成員の自己犠牲的な取り組みに頼らずとも、)適切な仕組みを導入することで、ほどほどのレベルが世界各国で容易に実現できるようになったからです。

仕事においても、プライベートにおいても、我々日本人は取捨選択を迫られる、厳しい世の中に変貌を遂げつつあると感じます。「この時代に生きる我々自身が何を捨てて、何を選ぶか、常に自問自答しながら、より適切な道を掴み取っていきたい。」そう思う今日この頃でした。

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