「仮想通貨、複数の交換業者処分へ 金融庁」を受けて思うこと

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仮想通貨のお話です。コインチェックの大規模な資金流出、ZaifでのBTC価格0円誤設定、コインチェックで流出したXEMのZaifへの流入等、仮想通貨取引所関係の深刻なトラブルが最近相次ぎました。これに対し、金融庁が行政処分等の正式な手続きを今週中にも発表する見通しであるというニュースがありました。少しこのニュースに対して思うことをまとめてみます。

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情報源

自分がこの情報に触れた初報は以下の日経新聞の記事でした。

その後、各種メディアが類似の報道をしていることから、ある程度確度の高い情報源に基づく情報だと推測します。(もちろん、その推測が外れている可能性もあります。)

所感

各取引所の今後の予想(完全に私見です)

Coincheck

大規模なXEMの流出があったコインチェックについては、現在、実質的に業務停止状態です。日本円だけは顧客に返還されましたが、その他の仮想通貨資産はすべて凍結中で、ユーザーは何も触ることができていない状態です。NEMのウォレットのコインチェックでの扱いについては、正直、過失要素があまり感じられず、確信犯的にセキュリティが低い状態のまま運用を続けていたように感じられるというのが正直な印象です。(マルチシグのコールドウォレットがオフィシャルに早い段階から実装されており、サポートも充実していたのに、それを使っていなかったというのは、取引所としては悪質に感じる。)自身も、ユーザーフレンドリーなUIに一時期魅力を感じて使っていたこともあって、正直ショックが大きかったですが、おそらく、今回の処分で、明確に、業務停止処分を受けるのではないでしょうか。(もちろん、これは単なる憶測です。→2018/03/08に追加の情報が出ました。予想は外れて、コインチェックは業務改善命令のみになったようです。)

Zaif

こちらは、一時、BTCが0円で購入できるようになっていたトラブルに引き続き、盗難XEMの流入が噂されているという状況です。こちらについては、過失要素がどちらの案件でも強いのでは?と思っているのですが、実際のところはやはりわかりません。(一部社員の確信犯という可能性も無きにしも非ず?とは思いますが…。)

自分自身の所感としては、確信犯で無かったならば、コインチェックと同レベルの処分が言い渡されるのは少し厳しいように感じるため、BTCが0円で購入できるようなシステム不具合の再発防止策の徹底や、盗難XEMの流入窓口サービス(CoinPayment関連機能)の停止等の命令が出るのではないか…と予想しています。(もちろん、これも単なる憶測です。→2018/03/08に追加の情報が出ました。こちらは予想通り、Zaifへは業務改善命令のみとなりました。)

ユーザーが実施すべきこと

Coincheckユーザー

残念ながら、コインチェックユーザー自身にできることは正直無いでしょう。続報を待つしかないと思います。

Zaifユーザー

業務停止等の、ユーザーが取引不可能になる処分が下される可能性は低いと思っていますが、そのような処分が下される可能性もゼロではありません。どうしても心配な方は、狼狽売りするよりは、ハードウォレット等の取引所に資産が拘束されるリスクの無い場所へ保有資産を移しておくことをオススメします。

取引所リスクが改めて明確化された

今回の一連の事件で、取引所に仮想通貨を預けるリスクがより明確に認識されたのではないか…と思います。高額な資産を預けている方は、ハードウォレット等のオフラインのセキュリティーの高いウォレットに保有資産を移すべきであることを改めて感じました。

今回の事件を契機に業界がより健全化してくれると嬉しいが…

今回の事件をきっかけに、セキュリティーや健全性の高い事業運営等の点が改善され、同様の問題が今後起こらないようになると嬉しいです。しかし、取引所リスクは決してなくなることは無いと思っており、仮想通貨ユーザー自身の防衛策がより明確に求められる時代になってきたのだなあ…と痛感しています。

DEXの魅力と怖さが再確認されたかも

今回のような取引所から仮想通貨が盗難されるという事態は、DEXには無縁のものであり、そういう点ではDEXの魅力が強く界隈に認識されたのではないでしょうか。

しかし、盗難XEMのマネーロンダリングという観点では、匿名性の高い通貨へDEXで交換可能な状況の場合、不正利用者にとって多大なメリットがあり、悩ましい点だと感じました。

まとめ

今年度に入り、仮想通貨にネガティブなイベントが立て続けに起こっており、仮想通貨ホルダーは、握力を圧倒的に試されている状況が続いています。今のところ、自分自身は、当初方針を貫けていますが、かなり厳しい状況なのは確かです。

仮想通貨への投資(投機?)は、余裕資金の中の更なる余裕資金で少額で!という原則をかみしめながら、淡々と取り組んでいこうと思います。