全世界同時株安で各方面から阿鼻叫喚の声が聞こえてくる今週の状況と、久々の更新となってしまったことのダブルパンチで、冷や汗がとまらないサラリーマン投資家です。
ずいぶん前のセミナーの詳細の話を、いまさらではありますが、まとめてみました。概要は以前投稿した以下の記事の通りなのですが、今日の記事では、第一部の㈱山本FP事務所 代表取締役 山本哲郎氏による「お金持ちは必ず知っている資産を増やす【コツとつぼ】」についての所感を少し詳細にまとめてみました。
中でも、不動産の利回りについての話と、最後の質疑応答でのやり取りが強く印象に残っています。
講演内容とそれについての所感
日本と海外のファイナンシャルリテラシーの格差が生み出す悲しい現状
労働時間や睡眠時間や資産形成スピードなどの統計データの比較から、以下のような傾向が読み取れることが紹介されていました。
日本人は長時間働いているにも関わらず、資産形成スピードは、海外に負けており、顕著な差がついてしまっている(涙)
これは、正直、非常に悲しいことですね。ただ、サラリーマン生活の日々を送っている自分の印象だと、「確かにそうだろうな…」と思ってしまうところが大きいです。
人口減少と高齢化による国内での経済成長の限界、働き方の効率などの面も大きいと思いますが、適切な資産形成をしていない人々が大多数を占めるという点も大きな原因と言えるでしょう。
貯金のみという資産形成で、現在の日本の豊かさを将来につなげられるのは、ごく一部の限られた方々のみになってしまうと私は思います。つまり、富裕層以外の人々にこそ、適切な方法で資産運用を行うことが重要だと思うのです。しかし、現実は厳しいのだな…と改めて感じました。このブログがそういった現状を変えていくのに、ほんのわずかでも役立つと嬉しいな…と思います。(そのためには、もうちょっと更新がんばらないと…汗)
資産の種類と特徴について
米国株と仮想通貨のセミナーが同日セットになっていたので、それら以外の資産クラスについて説明しますとのことで、各資産クラスについての説明がありました。
特に不動産についての内容は、これまで知らなかった利回りの具体的な目標感を知ることができて興味深く聞かせていただきました。
不動産
目標とする利回りについて
不動産についての話の中では、「家賃収入によるインカムゲインは利回り4~6%/年くらいが現実的」「物件売却によるキャピタルゲインは家賃X200倍くらいの売買益を得ることを目標とする」等、不動産の大まかな利回りについての話は面白かったです。
とはいえ、不動産は千差万別なため、あくまでも目安の数字ということは意識しておきたいと思いました。
保険
詳細はあまり語られなかったものの、有利な保険も中にはあるとのことでした。ここはあまり詳細が語られなかった印象でした。ただ、個人的な意見としては、貯蓄性のある保険はあまり良いものが無いという印象です。
投資信託
投資信託については、以下のような説明がなされていました。
- 長期投資により確度が高い資産形成が可能
- 日本での現実としては、保有期間短く、本来投信がもつメリットを享受できていない
iDecoでの投資信託の使い方について
なお、少し「むむっ?」と思ったのが、iDecoを節税目的で使う方法として、債券を対象とする投信によって、低リスクに節税メリットを得る方法が紹介されていたことです。
これは、中高年のリスクを抑えたい方には悪くない方針かもしれませんが、若者にとっては期待リターンの高い株式クラスを非課税口座にあてたほうが良いと思うので、個人的には、異論ありです。(とはいえ、リスクを抑えて節税メリットを享受するやり方として、ひとつの答えであることは否定できませんが。)
まとめとして
資産を持つことの重要性、負債を持たないことの重要性が「金持ち父さん、貧乏父さん」の話を例に紹介されていました。
私も読んだことがある本ですが、内容について一部異論はあるものの良い本だと思います。(書籍の中で紹介されている、米国の税制をベースにした不動産投資における節税手法、初心者向きではない難易度の高い株式投資手法等については懐疑的な意見を私は持っています。)
質疑応答とそれについての所感
自分自身の質問ではありませんが、他の参加者の方々の質問とそれに対する答えを以下にまとめます。特に二つ目の質問は、日本の金融関係の悲しい部分がぎゅっと濃縮されていて、とても考えさせられました…。
Q: 最初にどんなリスク資産を買ったのですか?
A: 不動産を買いました。
この回答から、若くして安定収入を得る体制を作り、脱サラするには、やはり不動産投資が定番なのだろうな…と感じました。(他の投資に比べれば、低リスクでレバレッジをかけれるため。)
ただ、個人的には、大きなローンを組む必要が出てくる点でリスクが大きすぎると感じており、未だ不動産投資には及び腰であるというのが正直なところです。ハードアセットをどこかのタイミングで自身のポートフォリオに含めたい気持ちはあるのですが、それにはキャッシュが足りないな…と考えさせられました。
Q: 投資信託について、金融機関から勧められたものを購入し続けているのですが、短期で償還されるものばかりで、長期で保有したくでもできない状況が続いているのですがどうすればよいでしょうか?
A: そうなりにくい、長期的に保有が可能な商品もあります。(詳細は、個別相談や、個別の勉強会で紹介しているのでよろしければ…という雰囲気)
「答えはインデックス投資だ!」と叫びたい気持ちをぐっとこらえるので大変でした…(いろんな意味で悲しすぎる…。もちろんインデックス投資が万能ではないのは重々承知なのですが…) 高コストのぼったくり投資信託の回転売買の餌食という、絵に描いたような事例が実際にあるのだな…とリアルに感じた強烈な体験でした。
質問者の方が、第二部のたぱぞうさんの講演を聴いて、今後はそのような劣悪な金融商品から距離を置いた適切な資産形成ができるようになることを願ってやみません。
…が、質問からにじみ出る「自分ではないどこかに回答を求める姿勢」が根本的に改められない限り、筋の良くない金融商品の華麗なるセールストークに今後もやられてしまう可能性が高いかもしれないな…と思ってしまいました。
自分自身でしっかり考え、調べて、納得して選ぶという「自己責任」の姿勢の重要性を痛感させられました。
まとめ
ファイナンシャルリテラシーや、各資産の特徴などを効率よく知ることができ、資産形成についてこれまであまり考えたことがなかった方にも非常にわかりやすい内容だったのでは…と思いました。
そして、講演の内容以上に、質疑応答から考えさせられることが多かったのも印象的でした。これからも、自分自身でしっかり考えながら、淡々と資産形成の道を進んでいきたいと思いました。
こんな記事も書いています。
なんだか分不相応に上から目線な記事を書いてしまった(&他にも書いているかも…汗)ような気もしますが、そんな自分自身も、金融商品での失敗を経験しています。今のところ、一番大きいのは、ソーシャルレンディングでの失敗ですね。もしかするとポンジースキームにやられてしまったかも…という状況になっています。
二番目に大きな失敗は仮想通貨への投資(投機?)ですね。自動積立で機械的に購入し続けていたのですが、なんとその会社(Zaif)が、仮想通貨をハッキングで盗られてしまうという事態になってしまいました。大部分の仮想通貨は、自分自身の管理化のハードウォレットに移していたことと、Zaifの事業自体は他社(Fisco)に事業譲渡される形で、顧客への補償も適切に行われそうで、致命的な資産の毀損は避けられそうな見込みですが、どうなることか…という感じです。
ソーシャルレンディング、仮想通貨ともに、短期的な利回りの高さに目を奪われた結果の失敗のような気がします。ぱっと見た利回りは地味ですが、資産運用の入門には、インデックス投資が良いのではないかと私は思います。一見地味な利回りも、長期的にじっくりと適切な姿勢で臨むことで、われわれに大きな可能性を与えてくれる確かな力を持っていると思います。