資産運用の始め方のススメ 第一弾 インデックス投資入門編

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ゴールデンウィークも残るところ2日を切ってしまいました。休み明けからの仕事のことを思い、少し憂鬱になってきている自分がいますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

当ブログでは、自身の資産運用の内容や思う所を記事にしてきているのですが、これまでの記事を見て、資産運用のオススメの始め方をまとめた記事は無かったことに気づきました。

現時点の自分なりの考えをこの記事にまとめてみようと思います。皆様のご参考になれば幸いです。第一弾のインデックス投資編(入門)です。

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資産運用開始にはある種の勢いが必要だと思います

まず、資産運用を始めるには、ハードルがかなりありますよね…。「投資は怖いと感じる」という方も多いのではないでしょうか。しかし、勢いを持って始めてみることが大切だと思います。

オススメの流れは以下の通りです。

  1. 証券口座を開設します。(同時に積立NISAの申し込みをしておくとこの後の展開がスムーズです。)
  2. 口座開設手続き完了までの待ち時間で自身のマネーライフ、投資方針を考えます。(これは確実に必要な手順です。この手順を飛ばして適当に始めると、試練の暴落相場で撤退してしまい、損失を確定させてしまう可能性が高いでしょう。)
  3. 積立NISAでの積立開始します。生活防衛資金が不足している人は生活防衛資金の積立も開始します。(この際、自動入金、自動積立の設定も終えることがオススメです。)
  4. 年一回のチェック(&必要に応じたリバランス)とライフステージの変化によるリスク許容度の見直し(&必要に応じたリアロケーション)意外は特に何も気にせず放置しましょう。

これら手順について、少し整理してみようと思います。

オススメの流れ、手順の解説

まずは証券口座の開設をしてみましょう

ここが一番、行動的な面でのハードルが高いところでしょうか。しかし、証券口座の開設にはリスクは特にありません。思い切ってやってみてはいかがでしょうか。オススメは以下3証券会社をすべて口座開設することです。楽天ヘビーユーザーの方は楽天証券で積立NISAを、そうでない一般的な方は住信SBI証券で積立NISAの設定もあわせて実施されることをオススメします。マネックス証券は上述の2社と比べると若干課題はあるものの、手数料は最安クラスで、米国株式市場に直接アクセスできるという魅力はちゃんと持っている(楽天証券、住信SBI証券、マネックス証券の3社のみ)ので、開設しておいて損は無いと思います。口座は特定口座の源泉徴収あり(確定申告不要)にしておくのが良いでしょう。

オススメ証券会社3社について

楽天証券

楽天経済圏でのサービスを常用している方にとっては非常に大きなメリットがあると思います。楽天カード、楽天銀行、楽天モバイル、楽天市場、楽天ブックス、楽天トラベル等のサービスを日頃から活用されている場合は、相応のポイントが貯まるでしょうし、貯まったポイントは、それらサービスの割引だけでなく、投資信託の買い付け等にも活用可能です。サービス内容も一通りそろっており、手数料も最安クラスであり、安心してオススメできる証券会社です。

住信SBI証券

楽天ヘビーユーザーで無い場合、住信SBI証券がオススメです。こちらの証券会社は、他社と比較して、あらゆるサービスが一通り揃っているとともに、手数料も最安です。楽天経済圏のような経済圏は少ないものの、日本一のネット証券と呼んでも差し支えないでしょう。

「通販はアマゾン派」、「楽天の広告メール攻撃はツライ(涙)」といった方々には、住信SBI証券のほうがオススメと言えるかもしれません(笑)

マネックス証券

最初の投資で使う証券会社としては、正直、マネックス証券はあまりオススメではありません。上述の2証券会社と比べ、UIのわかりにくさや積立投資での選択肢に制限がある(毎日買い付けが簡単に設定できない)等、課題がありますが、将来的に米国株式市場の海外ETFや米国株個別銘柄等に投資する場合には、取扱銘柄の多さや指値の有効期間の長さ(90日間)等の特徴が活きてくる可能性があり、口座開設しておくことに損は無いと思います。

次は口座開設完了までの待ち時間で、マネーライフ、投資方針を考えてみましょう

オススメはこのサイトでも度々取り上げている以下書籍を読んで、投資に対する考え方の基礎や、投資方針を決めることです。

書評:お金は寝かせて増やしなさい
インデックス投資ブログとして有名な、「梅屋敷商店街のランダムウォーカー」の管理人の水瀬ケンイチさんが単独で出版された書籍ということで、非常に...

本の内容を抜粋して、自分なりの思うところを追加して、ギュッと縮めた内容を以下にまとめてみました。(重要な部分が抜け落ちている部分もあると思うので、書籍をじっくり熟読されることをオススメします。)

考えるべきことは結構多いですが、ここでしっかり精神面での準備が整っていないと、いつかくるかもしれない暴落相場を耐えられないと思われますので、しっかり考えておきましょう。

現有資産の棚卸し、収入、生活費の項目の大雑把なリストアップ

まずは、家計の現状を把握することが大切です。オススメなのは、家計簿アプリ等を活用し続け、家計を常日頃から見える化しておくことです。オススメアプリは「マネーフォワード」「マネーツリー」等でしょうか。もし、家計が赤字になっているならば、投資を検討しているような場合ではありません。効果が大きなものから支出の削減を行い、一刻も早く家計を黒字化しましょう。一般的には、支出の削減で効果的なものは「家賃」「保険」「携帯料金」「解約し忘れている定額サービス」等が狙い目でしょうか。

家賃

引っ越しも視野に入れた場合は、削減の可能性は多いにあるでしょう。(ただし、引っ越す場合は、証券口座開設手続きが住所変更の影響でトラブルにならないよう注意してください。)

保険

保険については、最低限の掛け捨てのみのプランにすることで、かなり削減できる可能性があると思います。ライフステージにもよると思いますが、必要以上の保険をかけないことで、それなりの支出が削減できるでしょう。

携帯料金

携帯料金については、格安SIMにすることで、月々大きな支出が削減できるでしょう。

解約し忘れている定額サービス

解約し忘れている定額サービスとしては、「もう通っていないジムの会費」「あまり使っていない定額聴き放題、見放題系サービス」等、探せば意外と隠れているかもしれません。

生活防衛資金の決定

上記の検討を行った上で、家計の黒字化が達成(or確認)され、月々いくらかの余剰資金が確保できたとします。さて、投資を始めよう!となる前に、もうひとつだけ考えておきましょう。それが生活防衛資金です。

投資は基本的に長期に渡って淡々と続ける方法が王道です。短期投資は損失になりやすいともいえます。投資以外の資金が不十分だった場合、地震や台風、リストラ等のトラブルに見舞われると、せっかく投資に回した資金に短期的に手をつけざるを得ず、損失を確定してしまう悲しい事態になるかもしれません。

そういった事態を防ぐため、生活防衛資金として、最低3ヶ月分〜2年分程度の生活費をキープしておくことが、投資では非常に重要とされています。(1月15万円の生活費の場合、45万円〜360万円となり、それなりの貯蓄が必要ですね…)

もし、それら資産がすでに預貯金で確保できているなら問題ありませんが、無い場合はどうすべきでしょうか?その場合は、投資資金の積立と同時に生活防衛資金の積立も同時並行で行うというのが現実的でしょう。例えば、家計の余力が毎月5万円あるなら、そこから毎月2万円は生活防衛資金の積立に、残りの3万円は投資に回すといったイメージです。

投資方針の策定

上述の家計の黒字化、生活防衛資金の確保(あるいは積立設定)ができてはじめて具体的な投資方針の決定に移ります。本来ならば、自身のリスク許容度をしっかり考え、自らアセットアロケーションを設定することが非常に重要です。ここは、上述のオススメ書籍を参照に自ら考えていただきたいところですが、大多数の(若者)サラリーマンに当てはまるであろう方法を以下に参考として紹介してみます。

一例(…自分が社会人なりたての頃に戻ったらどうするか考えてみました)
積立投資部分

リスク:±60%まで許容できるという前提。(リーマンショック級の景気悪化の場合、このようになる可能性あり。正直、アグレッシブなリスクの取り方ではあります。)

積立金額:月々3万円/月、ボーナス月(年二回)のみ5万円/月=40万円/年(積立NISAの非課税枠を意識した金額です。住信SBI証券と楽天証券では、毎日積立設定も簡単にできるので、そういう選択肢もありですね。)

アセットアロケーション:株式100%(楽天全世界株式インデックスファンド100%)

方針:バイ&ホールド。買ったら非課税期間終了まで売らない方針を貫きます。

生活防衛資金積立部分

積立金額:月々2万円/月、ボーナス月(年二回)のみ5万円/月=30万円/年の積立を行い、最低1.5年間で最低3ヶ月(15万円/月X3ヶ月)分の生活防衛資金を確保したいです。その後も引き続き、この積立は継続し、2年分(360万円)確保できるまで12年間は続けたいですね。

所感

積立投資金額は最低限毎月3万円(ボーナス月5万円)程度確保して、しっかり積立NISAの枠を埋めるところからスタートしたいものです。初任給レベルでは結構厳しいかもしれませんが、若い頃から堅実にこれくらいの貯蓄をして将来に備えたほうが望ましい時代になりつつあると感じています。

重要なのが、同時に実施する生活防衛資金の積立です。最低限毎月2万円(ボーナス月5万円)と設定してみました。

もっと投資資金を捻出できるという方でも、最初は積立NISAの枠内程度の積立投資からスタートしたほうが良いでしょう。1〜2年継続して勝手がわかってきたら、課税口座での積立金額を増やすもよし、積立NISAではなくNISAでの積立を途中に挟むもよしだと思います。

口座開設完了次第、積立の設定を

上述のように、投資方針が設定できたら、積立NISAでの積立投資と、生活防衛資金の積立(大規模災害時等にも簡単に引き出せるよう、メガバンクやゆうちょ等の普通預金口座が望ましいでしょう。)の設定を行います。ポイントは、今後、できるだけ手をかけずに済むよう、自動化された体制にしておくことです。具体的には、証券口座への入金や投信積立、生活防衛資金積立用銀行口座への入金等を、給与振り込み第二口座の設定や証券口座への自動入金や投信自動積立設定等で完全自動化にしておくことです。

決まったタイミングで年一回チェック、ライフステージの変化に応じてチェック

本記事で設定した積立投資ならば、リバランス不要と思いますが、先進国株式80%、新興国株式10%、国内株式10%等のように積み立てている場合は、年に一回程度、リバランスすることをオススメします。

また、結婚や出産やマイホーム購入や加齢等といったライフステージの変化により、自身のリスク許容度は変わってくるので、状況に応じて、より低リスクと思われる債券等も組み込みたくなるかもしれません。その際には、期待リターンが高いもの(具体的には株式)はできるだけ非課税の恩恵が受けられる、積立NISA、NISA、ジュニアNISA、iDeCo等の口座で扱い、期待リターンが低いもの(具体的には債券等)を課税口座で扱うようにすると、税金面で有利になるでしょう。

【重要】普段は気にせずにほったらかしにすること!

当初定めた投資方針のスジが悪くないならば、基本的には(年一回のリバランス以外は)ほったらかしが最善です。短期的に価格が下落していたとしても、別の投信へ乗り換える行為は、たいてい悪い結果をもたらすことが過去の研究で判明しています。さらに言うと、今回例示した積立プランならば、リバランスすら不要なので、完全なるほったらかし運用が可能でしょう。

ただし、もし、信託報酬がより安い投資信託が出た場合等は、新規に積み立てる部分については、変更を検討しても良いと思いますが、すでに積み立てている部分は、よほどのコスト差が出ない限り、乗り換えるメリットはあまりないでしょう。

つまり、基本的には「ほったらかしにする」ことが非常に重要になるわけです。さらに言うと「暴落しているときに狼狽売りしない」ことが非常に重要になるわけです。

以上が駆け足でしたが、インデックス投資の入門的内容になります。皆様の所感はどうでしょうか?始めるまでに考えるべきことは色々あって大変そうだが、適切に始めてしまうと逆にほったらかしまくりでやることは無いのかも…?という所感を持たれている方が多いのでは…と思います。自身も投資ブログを書いていなかったとしたら、全くその通りで、完全にほったらかし状態になっていたと思います。ゴールデンウィーク残り2日のまとまった時間で、証券口座の開設や、投資方針の検討等、考えてみてはいかがですか?

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