投資やお金についてのオススメ書籍の紹介第二弾です。このブログでもよく取り上げているバンガードの創始者のジョン・ボーグルが、インデックスファンドのメリットを非常にわかりやすく説明している書籍です。古い本のため、現在、中古本(結構プレミアがついている!)しか入手できませんが、これから確定拠出年金や積立NISA等で投資を始めるという方には、ぜひ一読しておいていただきたい内容です。
前回のオススメ書籍の紹介は、お金に対する基本的な考え方に対して、非常に良い影響を与えてくれる本でしたが、今回紹介する書籍はもう少し現代の投資に対してフォーカスした内容と言えます。
前回のオススメ書籍の紹介「バビロンの大富豪」はこちら。
目次
この本の主張
低コストのインデックスファンドのバイ&ホールドのすばらしさ
序章にて、この本の主張はシンプルに書かれています。「低コストのインデックスファンドを買って、ずっと持ち続け、配当を再投資し続けることが最適」という主張です。
この考え方は、このブログの米国株ETFへの投資の方針そのものです。
大したことが無く、無難で面白味の無いものに見えるかもしれません。しかし、過去の様々な研究により、このシンプルな戦略以上に素晴らしい結果を出すのは極めて難しかったことが、わかりやすく説明されています。このような本を読むことで、今後も信念をもって、この手法を続けていこうと改めて心に誓うことができる。そんな本だと言えるでしょう。
アクティブファンドや投資アドバイザーによる高コストの図式や悪影響のわかりやすい説明とそれに対するインデックスファンドのメリットの説明
本の中の第一章の「寓話 ゴットロックス家の物語」は、現代の金融機関の、利益追求型ビジネスとそれによってむしばまれる投資家の利益の図式や悪影響を、非常にわかりやすく示していて、説得力にあふれています。この章を読むだけでも、読者の心の中に投資信託のコストに対するこだわりが生まれ、投資信託の目利きのレベルが着実にあがるでしょう。
また第四章では、もっと直接的な数字によってコストの影響の大きさが示されています。様々な数字が提示されますが、どれも衝撃的な数字です。
ETFについて
この本の著者であり、バンガードの創始者であるジョン・ボーグルですが、ETFについては、「長期保有するならば、設計上、低コストであるメリットが十分に生かせて素晴らしい結果となるが、短期で売買するような使い方をした場合は、シンプルなインデックスファンドに劣後するパフォーマンスとなる可能性がある」という主張をしています。
この意見には、自分も全く賛成で、自分自身が保有しているETFについては、熟慮の上、長期保有にふさわしい銘柄を選び、購入後には絶対に売らないという運用を徹底するべく、常に意識しています。
注意:あくまでも成長国に対して成り立つ論理
一点注意点としては、上記のような、インデックスファンドのバイ&ホールドによる戦略が有効に機能するのは、米国のような、今後も右肩上がりの人口増や経済成長が見込める成長国で、株主の権利をしっかり守る文化的背景がある市場に限られるということです。
例えば、日本の株式市場では、上記のような論理は成り立たず、インデックスファンドのバイ&ホールドの戦略が功を奏するかは、極めて微妙であることは覚えておくべきでしょう。
全体を通して
書いてあることは、極めてシンプルで、タイトルの通り、常識的なものが多いです。しかし、そういった常識をたんたんと実践するのは、その常識に対する理解と納得が深くなければ、極めて難しいのです。こういった投資本を読むことで、基本原則やなぜそうなのかというわかりやすいロジックを何度も頭にたたきこむことができ、いつか来るであろう試練の暴落相場にて、愚かな投資行動を取ることなく、資産形成を着実に進めていけるようになれるのではないでしょうか。ぜひご一読をオススメします!