金融危機前夜の雰囲気が強まっているように感じるが結局のところどうなのだろう?

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経済状況は日々刻々と目まぐるしく変わります。昨年(2017年)は、力強く継続的に右肩上がりする市場だったのですが、今年(2018年)は、それなりに大きな上下動がある、リスクを感じさせる市場になっています。

また、日々聞こえてくるニュースは、金融危機前夜のきな臭さを感じるものが増えてきました。今日は、金融危機について、自身の資産形成で感じていることをまとめてみようと思います。

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歴史は繰り返すのか?

1991年の日本のバブル崩壊、2000年のアメリカのインターネットバブル崩壊、2009年のアメリカのリーマンショック等がありました。10年に一回程度、株式市場では大きな暴落が起こってきたと言えるわけです。現在2018年で、前回の株式市場の大暴落のリーマンショック2009年から9年目になります。そろそろ…と様々な方々が警戒し始めているのは確かでしょう。

懸念されている現象

貿易戦争

アメリカ vs 中国、EU、NAFTA加盟国といった関係国間での貿易戦争が過熱しています。トランプ大統領の政策的発信を起点とした、これらのやり取りが、実効力の伴う形でとうとう動き出してしまったという感触があります。

これらは、大衆に対してわかりやすく、政策面での成果を見せるための、トランプ大統領の作戦だと思います。しかし、世界経済的には、明らかなマイナスだと思いますし、それらは巡り巡ってトランプ大統領を支持している大衆の不利益につながります。

今後どうなっていくのか、先行きは不透明ですが、私も関心を持って見守っています。

反EU主義の高まり

反EU主義の高まりが、政治、経済的に大きな影響を及ぼし、イタリア国債を巡る混乱が生じました。結果的には、直ちに破滅的な影響を市場にもたらすという事態にはならなかったものの、難民問題や経済問題のヨーロッパ各国間の対立の根深さは解消されていないように感じます。こちらも先行きは不透明ですが、今後どうなっていくでしょうか。

新興国通貨に対する懸念

米国の政策金利の上昇に伴い、新興国から米国への資金の流れが強まっています。それによって、新興国通貨が弱体化し、新興国にて通貨危機の発生の懸念が高まっています。

しかし、ASEAN諸国については、以前のアジア通貨危機に比べ財務体質が改善されており、あまり大きな懸念が示されていないようです。

懸念があるのは、アルゼンチン、トルコといった国々です。

アルゼンチンでは、政策金利が40%というすさまじい水準にまで引き上げられています。これは、すさまじいインフレが起こらざるを得ない状況で、これでは安定的な経済運営を行うのは難しいでしょう…。

トルコは逆に、米国への資金の流れを減速するために、利上げすべき局面にも関わらず、利上げしないことで米国への資金の流れを加速してしまっているという状況と思います。

現時点では、限定的な国家・通貨のみの問題にとどまっているため、致命的な経済危機には至っていないという印象ですが、今後どうなっていくのでしょうか。

中国の膨らんだ債務

中国では、借金をベースとした、経済政策が長年行われ、今日の経済的発展を生み出すのに大きく貢献したと思います。しかし、その中で蓄積されてきた膨大な債務の問題が、近年、少しずつ表面化しつつあるように思います。

中国政府のこれらの債務課題への対処は、政府の持つ大きな権力を有効に活用し、極めて巧みにコントロールされているという印象を私は持っています。しかし、それにも限度があります。いつ限度を超えてしまうかは誰にもわからないと思いますが、刻一刻と限度は近づいているのでは…と思います。

リスクの高い金融商品の流行

interest-only mortgageという不動産ローンが英米で流行しているという情報を最近見かけました。日本語的に訳すと、月々の支払いは金利のみで良い不動産ローン(=元本の支払いが満期まで不要な不動産ローン)という感じでしょうか。当然、金利のみの支払いで良いので、月々の支払いは非常に低額ですみます。しかし、元本は、ローンの満期に一括で支払う必要があります。

このようなローンでは、対象の不動産物件が、ローンの元本を支払うべき満期に、購入価格より高額で売却できた場合には問題ありません。しかし、そのタイミングで、不動産市場が冷え込んでいた場合、満期になっても元本を返済できない可能性が高いでしょう。そうすると、それら不動産ローンが不良債権化してしまい、リーマンショックレベルの大混乱の再来もありえるのではないかと思います。

まとめ

世界が上記のようなリスクを抱えていても、結局のところは、金融危機がいつくるかは誰にもわからないという当たり前のことしか言えません。

とはいえ、世界経済の動きに適度な関心を持っておき、警戒心を高めておくのは、いずれ来るであろう大暴落に精神的に備えておくという観点から悪く無いと思っています。

結局のところ、継続的に資産を積立している個人投資家は、事前に定めた節度ある投資方針を、いかなる時でも継続することが最良なのでしょう。金融危機の際にも狼狽売りせず、淡々と積立を継続できるよう、しっかりとした芯のある投資方針を確率しておくことが大事なのだと改めて感じました。

こんな記事も書いています。

資産状況についての記事中で、貿易戦争の状況について少しだけ触れた記事です。これら状況については、過剰に気にしすぎず、とはいえ適度に関心を払いながら、淡々と当初定めた投資方針を継続していきたいと思っています。

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